当協会は、昭和15(1940)年6月に芸能統制令によって、三曲(箏(こと)の音楽、三味線(しゃみせん)の音楽、尺八(しゃくはち)の音楽及びこれらの楽器を組み合わせた音楽を総称して“三曲”と云います。)の各流派の教授者、演奏者等を糾合して結成された「大日本三曲協会」を基盤として、昭和43(1968)年11月26日に民法に基づく法人として文部大臣(当時)の設立許可を受け「社団法人日本三曲協会」とし設立されました。その後、国の公益法人改革にともなう公益法人関連三法のもとで、平成22(2010)年8月4日に内閣総理大臣の認定を受け、同月11日に「公益社団法人日本三曲協会」へ移行しました。(協会の法的設立日は、従来通り“昭和43年12月4日”です。)
協会は、設立以来「三曲の“普及向上”と“各流派の交流”によって、わが国の伝統芸術の振興と邦楽文化の発展に寄与する。」と云う目的を持ち、その時代の会員及び役員が、関係各位のご協力をいただきながら、定期演奏会をはじめ各種の事業を催行して、現代社会に文化的潤いを提供して参りました。
協会を巡る環境は、少子高齢化の進展、社会・経済システムのグローバル化と共に種々の面で厳しさがを増しており、「会員の減少」として端的に顕れております。加えて新型コロナ禍の長期化は、対面稽古が必須の三曲においては、次世代を担う会員にも少なからぬ影響を及ぼしていると認識しております。
協会が公益目的事業として行っております「春季・秋季三曲名流演奏会」、「日本の響」、「子供演奏会」、「三曲奨励会」、実技講習会等々の具体化に際しては、協会を取り巻くこれらの環境変化を念頭に、公益社団法人へ移行十余年の実績も踏まえ、堅実に遂行して参る所存です。
協会は、三曲の教授者及び演奏者を主体とした個人を会員とする法人ですが、各事業の遂行に当たっては、その会員が所属する流派・団体の協力が不可欠です。会員の皆さまはもとより、多くの流派・団体の方々の一層のご支援ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
令和三年六月
会長
廣田 錵山
本協会は、昭和15年6月に当時の芸能統制令によって日本音楽三曲の各流派の教授者・演奏者等を糾合して結成された大日本三曲協会を基盤として、同43年11月に公益法人として発足しました。その後、平成22年8月に公益社団法人としての認定を受け現在に至っております。この間、わが国の伝統音楽である「箏、三絃及び尺八の普及と三曲各流派の交流を図り、もって邦楽文化の発展に寄与すること」という目的に沿って、多くの事業を実施しております。